スモークフリーコラム

スモークフリーコラム

神奈川からつくる「スモークフリー社会」

一般社団法人スモークフリージャパン 松沢しげふみ

私は「スモークフリー」という言葉を、日本人がだれでもわかるものにしたいと思っています。

「スモーク」で「フリー」だから、自由にタバコが吸えることだと思う人もいるかもしれませんが、それはまったく違います。この場合のフリーは、「バリアフリー」の「フリー」と同じ意味です。
バリアフリーというのは、バリア、つまり障壁をなくして、障害者にとっても移動しやすい環境にすることです。そしてスモークフリーというのは、タバコのない、タバコの煙から解放された、そういう環境にすることをいいます。この言葉は、欧米ではすでに一般名詞として使われ、その意味も広く理解されています。

「タバコの煙がいやだ」、「自分では吸っておらず健康にも害があるのに、なぜタバコの煙を吸わされなければいけないのだろう」という経験をしなくてすむ社会、それが「スモークフリー社会」です。タバコの煙のない、どこへ行っても空気がきれいな社会です。

私は、「スモークフリー社会」をつくることを目指していますが、この言葉の意味が日本人のだれにでもわかるようになったら、日本のタバコ対策はかなり前進したといえるでしょう。
今では一般的になった「バリアフリー」という言葉も、あらゆる人に障害となるものを取り除こうという考え方です。そうした意味ではタバコの煙も、一つのバリアだと思うのです。ですから、「スモークフリー社会」をつくることは、バリアフリー社会を完璧にすることだといえるかもしれません。

神奈川県では、現在スモークフリーのキャンペーンを展開しています。このキャンペーンは、受動喫煙防止条例の施行に合わせて、まずはこの条例の中身がどういうものなのかを、広く知ってもらおうという目的で行っています。
このキャンペーンには「スモークフリー・サポーターズクラブ」という応援団もついてくれました。サッカー日本代表の中澤佑二選手と、元テニスプレーヤーの杉山愛さんです。受動喫煙防止条例に大賛成してくれて、ありがたいことに、応援団になることを申し出てくれました。
二人ともスポーツ選手として、日ごろの健康管理には十分注意を払っているということです。「まえがき」でも紹介しましたが、受動喫煙を強いられることに対して、日ごろから思うところが少なからずあったようです。また、世界各地を遠征していて、海外ではすでにスモークフリーになっていることを実感していたそうです。
そして中澤選手は横浜のチーム、横浜F・マリノスに所属しており、杉山さんは神奈川県の出身で茅ヶ崎在住と、二人とも神奈川県に縁があるということで、スモークフリー社会をぜひこの神奈川県からつくりましょうと言ってくれたのです。
この応援団の輪は、その後、スポーツ選手だけではなく次々と広がりを見せています。ニュース番組のお天気キャスターの木原実さんや、モデルでタレントの長谷川理恵さんにも参加いただいています。

また、企業や団体の皆さんに条例の趣旨やスモークフリーを呼びかけていただく「条例応援団」という輪もできました。
ドラッグストアのハックドラッグ、ロイヤルホストや幸楽園などのファミリーレストラン、JR東日本や京浜急行などの鉄道会社をはじめ多くの企業や団体が参加して、ポスターを掲示したり、パンフレットを置いてくれたり、サポートをしてくれるようになりました。
大学生からの提言もありました。慶應義塾大学藤沢キャンパスの学生が、受動喫煙防止条例についてのアンケート調査を行なったうえで、2009年4月の受動喫煙防止条例の施行に先立って、トライアル(試行)的な取り組みを行ってはどうかという提言を持ってきてくれたのです。
この提言はその後、条例施行が2ヵ月前に迫った2010年2月4日から10日までの「スモークフリー」トライアル週間として実現しました。レストランや商店街、テナントビルなどにご協力をいただき、374店舗で条例の規則が始まる前の段階で先行して禁煙や分煙の徹底をしてくれたのです。このトライアル週間には、サポーターズクラブの長谷川理恵さんや、提案してくれた慶應義塾大学の学生もお呼びしてフォーラムを開催し、スモークフリー社会の実現に向けたアピールも行いました。

こういった心強い応援に支えられて、より多くの人たちにスモークフリーという言葉の意味や、受動喫煙防止条例の意義を理解してもらい、スモークフリー社会を神奈川県から広めていけたらと思っています。

関連リンク

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